はじめに

「NestJSの強化書」の内容に入る前に、最初に目を通しておいてください。

これはどのようなサイトか?

本書の目標は、本読者がNestJSをすぐに実務で利用できる(具体的に言えばNestJSで簡単なプロダクトを開発できる)ように、最短ルートに読者を導く一冊になることです。本書は、NestJSの網羅的なドキュメントではありません。取り扱う内容は頻出する機能に絞って、「実務でNestJSを扱うなら、最低限ここだけは理解しておこう」「これさえ押さえておけば実務でも安心できる」という観点で執筆しています。
本書はNestJSを中心に取り扱いますが、実務上、必要になる知識としてJavaScriptやTypeScriptの仕様やフロントエンドフレームワークのReactやVueについても扱います。

対象の読者

本書は、プログラミング経験はあるけど、これからNestJSを始める人、もしくはNestJSを始めた人を中心に対象としています。たとえば、以下のような種類のプログラマーを想定しています。
  • メインでサーバサイドのフレームワーク(例えばLaravel、DjangoやSpring Boot)を使っていたが、突然実務でTypeScriptでバックエンドを開発するように頼まれた。
  • フロントエンドでTypeScriptの経験があるが、バックエンドはやったことがない。
  • NestJSを実際に開発で使ったことはあるけど、どのように勉強すればいいのか、あるいは開発を進めればいいのかわからない。

本書では扱わないこと

本書ではNestJSの初心者ではあるものの、プログラミング経験そのものはある人を対象の読者としています。そのため、「関数とはなにか?」などのプログラミングのいろはは本書では取り扱いません。

本書の構成

第2章「NestJSって何?」では、NestJSの概要について触れます。同時に、NestJSのメリットやデメリット、実際にNestJSがどのようなサイトで活用されているのかを示すことで、全体像を理解していただきます。NestJSとはどういうものなのかを詳細に知ってもらったり、読者が同僚や所属するチームにNestJSをおすすめできるように情報を提供します。 「NestJSを使う理由は?」「NestJSでしか味わえないメリットって何?」このような素朴な疑問に回答していきます。 第3章「作って学ぶNestJS」では、多種多様なアプリケーションをNestJSで実装するワークショップ形式の解説を通して、NestJSを使った開発の流れを感じ取ってもらいます。こちらのハンズオンでは、実務で取り扱う開発に近づけるように、NestJSだけではなく、フロントエンドフレームワークのReactやVue、テストフレームワークのJest、REST APIによるCRUD操作やWebSocketとの連携についても詳細に扱っていきます。それだけではなく、実際にTodoアプリやEコマースアプリを開発する手順を詳細に書くことで、実際にNestJSでプロダクトを開発する手順を学んでいきます。 第4章「読んで学ぶNestJS」では、NestJSの主要機能を一つ一つ丁寧に解説します。すべての機能のレファレンスというよりは、実際の開発で頻繁に使用できるものに限定し、これだけは最低限押さえておきたい機能をメインに取り上げていきます。NestJSを学ぶ人はTypeScriptも並行して学ぶことが多いと思うので、TypeScript(JavaScript)に付いての説明も織り交ぜながら詳細に解説していきます。

本書の使い方

本書は基本的に、章立ての順番通りに読み進めておいておいて問題ございません。 本書のざっくりとした流れとして、応用編であるWebアプリ開発のほうが、基礎編であるNestJSのメイン機能より先んじていますが、これには実践を通して勉強したほうが効率的に学習できるという経験則に基づいています。 意図的に応用編を先に解説しているので、NestJSに初めて触れる読者でも、第3章から読み進められるように十分配慮しています。

アップデート

本書は継続的にアップデートされていきます。本書はGitbookで編集されています。 本書で読んでもわからないことやNestJSに関する疑問はお気軽にGitHubへご連絡ください。あと、文章やサンプルコードの誤りは積極的にご連絡ください。
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